映画

『ジョーカー』出生の秘密の考察|手紙の裏

-『ジョーカー』は本当に傑作

そう思うのは、シナリオが難解なわけではないのに、引っ掛かりを覚えるシーンが多いから。

『ジョーカー』「手紙」の考察

いろんなシーンがあるけど、気になるのはアーサーが母を殺してから発見した、母がもらっていた(?)手紙だ。

この手紙、たしか差出人から“愛してる”的なメッセージだったと思うんですけど、アーサーがその内容読んだあと裏返すと差出人からと思われるイニシャルが…

“T.W”

ってありましたよね。

イニシャル的には完全にトーマス・ウェイン。

これどう思いますか?

ぼくは映画を観てる時には「母が妄想で自分宛に書いた手紙」だと解釈しました。

アーサー自身も母が精神障害があって養子である事実を知ったあとだったので「こんな自作自演の手紙作ってバカバカしい!!」と怒り手紙を捨てたのだと思いました。

けど、どうなんでしょうか?

ちょっと違和感はあったんですよね、あのシーン。

あのシーン必要だったかどうかってところも含めて考えると…

だってあのシーンがなくても成立すると思うんです。

もう、アーサーの出征の秘密が明らかになって、笑ってしまう精神疾患の原因も明らかになり、それを理由に母を殺したわけですから…

もう、あの手紙のシーン入れなくても十分アーサーはジョーカーになれてると思ったんですけど…

それでもあのシーンがあった。

あの手紙って、やっぱりトーマス・ウェインからの手紙だったんじゃないかと思ったんです。

もしそうだとしたら、ジョーカーがさらに怒りと悲しみに狂う要因になります。

トーマス・ウェインは大金持ち。

ゴッサムシティー内の情報操作くらいできてもおかしくない気もするんです。

それに、手紙を読むのは映画の中だけでも2回はありましたよね。

一度目で、トーマス・ウェインが父親だとわかって、二度目がこの手紙。

母親本人の文字かどうかくらい分かりそうなもの…

と考えていくと筋が通っちゃう。

もう考察を一度まとめると…

映画では母ペニーが入院していた病院に行って、診断書を確認し、その時に養子であることを知り、さらにその時に受けた暴力が原因で笑ってしまう発作が発症したことが判明しました。

そのことを受け、怒りと悲しみから母を殺しました。

そしてそのあと、家に帰って「母が自作自演で書いた手紙」を見つけて捨てました。

-でもこの手紙が自作自演じゃなかったとしたら…

病院へは、金と権力があるトーマス・ウェインが事実をでっち上げて入院させ、診断書なども作らせた。

実際はやっぱりトーマス・ウェインの子。

それなのにアーサーはそんなことを知らずに、診断書の情報を鵜呑みにして母親を殺した。

そして家に帰って見つけた「トーマス・ウェインからの手紙」…

実の母を殺してしまった。

母は無実だったのに!!!

ってなってより悲しみと怒りに狂いジョーカーが完成する。

-どうでしょうか?ぼくは今となってはそう捉えてます。

いやぁ、もう一度観たい。

観よう。

おやすみなさい。