映画

『レオン 完全版』考察|不朽の名作な理由

午前10時の映画祭で『レオン 完全版』を鑑賞してきました!

『レオン 完全版』…何度観ても良い。

なんでこんなに良いんだろうか…

『レオン 完全版』『-通常版との違い』

ところで『レオン 完全版』と『レオン(通常版)』の違いは知ってますか?

完全版は通常版よりも22分も長くって、3つのシーンが足されているんです!

このシーン、映画館で放送するには刺激が強いということでカットされてたらしいんですが、レオンとマチルダの関係がめちゃくちゃ濃くなる部分。

もし完全版を知った後に、通常版を観たら「えっ!!!!?」「あんな大事なシーンカットしてるん!!?」ってなるほどのシーン。

それら3つのシーンとは…

「レオンがマチルダに暗殺を教えるシーン」

「レストランでマチルダがシャンパンをがぶ飲みしてゲップして笑いまくるシーン」

さらには「マチルダが初体験を求めて、レオンがそれを拒否し、レオン自身の過去を語るシーン」

この3つのシーンが無いんです!

『レオン』の“濃さ”だいぶ変っちゃいますよね!

これらのシーンあっての2人の絆深まっての『レオン』の切なさだと思うんです。

-ふぅ、完全版観て良かったー。

『レオン』はなぜ名作なのか

『レオン』ってめちゃくちゃ良い映画ですけど、なにがそんなに良いんでしょうか?

-ちょっと分解していきたいと思います。

『レオン』はストーリー、俳優がいい!

まずストーリーめちゃくちゃ良いですよね。

で、登場人物・俳優さんが超良いってのはありますかね。

殺し屋レオンはジャン・レノ

殺し屋見習いの少女マチルダはナタリー・ポートマン

悪徳刑事ノーマンはゲイリー・オールドマン

全員名優!

ナタリーポートマンに関してはこれがデビュー作…天才すぎ。

『レオン』は衣装がおしゃれ!

で、各々の衣装もこれがまた良い!

主人公たちは結構シンプルに決めてますが、それぞれ絵で表現できるようなキャッチーなシルエット。

レオンなんかどのシーンもTシャツ変えるだけの同じ衣装ですけど抜群にかっこいい。

1994年の映画なのにいつ観てもオシャレなのがすごい!!

マチルダも少女っぽいヘンテコな格好してるように見えますけど、サイズ感が絶妙でかっこいい!

ノーマンもセットアップの色サイズ感はもちろん、小物がいい。

イヤホンの黄色いラインがめちゃくちゃかっこいい!あのドラッグのカプセルの色もいい!

『レオン』は時代に流されない“間”の取り方がすごい

ちょっと前の映画を観るとシーンがたるんでるように“感じてしまう”ことがあったりするんですが、レオンの場合それが無いのもすごい!

思うに、シーンがたるんでるように“感じてしまう”のは、最近の映画やテレビでテンポの速さに慣れてしまっている。どんどん画面が変わらないと眠くなってしまうような待ちきれない感じがある。

でも、『レオン』はたっぷり間を取りつつもそれを回避できている。

『レオン』は間をたっぷり取りつつも、その間を埋めることをしっかりしているからなんじゃないかなと…

ノーマンのカプセルを噛むシーン

その間をいい感じに埋めて魅力的なシーンにしているいい例が、ノーマンのカプセルを噛むしぐさ。

カプセルが入ってるケースを取り出して、中身を確認するように耳元で振り、カプセルをゆっくりと開けて、ゆっくりと上を見上げ、両腕を広げて奥歯で噛む。

そして、アップで表情の変化。

“クァーーーッ…”みたいな声を出して、先ほどとテンポの違うノーマンが現れる。

-たっぷり間を取ってから、魅力的な所作で間を埋め、そのあと切り替えてテンポを上げる。

この緩急のせいなのか、全く飽きない。

ノーマンのルーティンによって、観てる側も同じテンポに乗せられ没入させられる。

ガムのトリックのシーン

違うところでテンポの良さを感じるシーンでいうと、マチルダを連れて、ガムのトリックを利用して次々と仕事をこなしていくシーン。

あれも最初はマチルダと会話してガムを覗き穴につけて、鎖の場所確認して、鎖を切って、中に入って男を殺して…していたが

それ以降はどんどんテンポを上げて、覗き穴にガムを付けるだけのシーンをポンポンポンと流すだけになる。

あのシーンのテンポもめちゃくちゃ気持ちよく、その連続したガムのトリックの最後に一旦リズムを止め、間を置いてリングトリックを印象的に魅せてる。

それで「リングトリック」が無理なく頭に残して最後のシーンで使うってのも、この映画の気持ちよさに繋がってる。

いやぁ、すごいわ。

マチルダのその後

マチルダがその後どうなったかのは、想像にお任せします的なのもいいところ。

映画の余韻に浸れる。

ぼくはマチルダは殺し屋にはならずに、レオンのことを思いながら学校に通うと思う。

だからこそ、最後のシーンでレオンが大事にしていた植物を校庭に埋めたんだろう。

『レオン』は名言もいい!

染みるんですよね。

大人になっても人生はつらい?」に対しての「つらいさ」

もう大人よ。あとは年を取るだけ」に対しての「オレは逆だ。年は取ったが、大人にならないといけない

とか、ぱっと見たら大人なレオンが発言するこれらの発言が染みる。

つらいさ」に救われたのはマチルダだけじゃないはず。

「…大人にならないといけない」に覚悟することの大切さを習った。

こんだけ思える映画はすごいよ。

濃い。

また観よう。