音楽が最高の映画、浮かぶのは『セッション』『はじまりのうた』とか。
『ボヘミアン・ラプソディー』もそのうちの一つになってくれると期待して観に行った。
それ以上でもそれ以下でもなく、ぼくはクイーンのことはよく知らなかった。
有名な曲はもちろん聞いたことはあるし、ボーカルのフレディ・マーキュリー、姿はわかるけどそれだけ。
「ウィ・ウィル・ロック・ユー」や「伝説のチャンピオン」は今も色褪せていない名曲だと思うし、かっこいいと思うけど、それだけ。
音楽プレイヤーにクイーンの音楽を入れたことはないし、YouTubeの検索窓で“クイーン”と入れたこともない。
そんなぼくでも“ラスト21分”は最高に感動した。
是非観てもらいたい、映画館で体験してもらいたいと思うので紹介します。
あらすじ
『ボヘミアン・ラプソディ』はフレディ・マーキュリー、本名ファルーク・バルサラの生き様を軸に、クイーンのバンドとしての栄光と陰に隠されたドラマを描く映画である。
(以下の文章は映画の宣伝のチラシより引用してます。)
#1.夢を追いかける若者たちの出会い
複雑な生い立ちや、容姿へのコンプレックスを抱える孤独な若者だったフレディ。彼が出会ったのは、のちに生涯の“ファミリー”となり、音楽史にその名を残すことになるバンドのメンバーだった。
#2.常識を打ち破る名曲誕生の瞬間
個性的なメンバーの革新的な挑戦によって、誰もが知る名曲が次々に生み出されていく。そしてバンドは、ロックミュージックにオペラを導入した「ボヘミアン・ラプソディ」で、既成概念を覆すことに成功する!
#3.最高の光と影。そして解散の危機
数々のヒット曲を放ち、一躍世界的な大スターとなったクイーン。そしてフレディは“史上最高のエンターテイナー”とまで称されるようになる。しかし、最高の光に照らされる一方で、孤独の影が忍び寄っていた。
#4.人生を懸けた史上最大のステージへ
フレディがソロ活動を始め、崩壊寸前となったクイーン。そんな中、バンドは20世紀最大の音楽イベント“ライヴ・エイド”に出演する。永遠に語り継がれるラスト21分のパフォーマンスに秘められた真実とは…
感想|ラスト21分のための映画になってる。
“ラスト21分”へ向かう物語
“ラスト21分”は本当に感動した。
『ボヘミアン・ラプソディ』はこの21分を魅せるために作られたんだと思う。
クイーンを、フレディ・マーキュリーのことをよく知らなかったのに最後のライブのシーンで感動して胸が熱くなった。
観ている最中、正直に言うとブツ切り感があると感じていたけど、映画のクライマックスのライブを観て、“このためだったのか”と解らされた。
この“21分”をライブのシーンで音楽だけで感動させるためには、それまでの流れ、生い立ちからメンバーの不和、解散の危機、そして和解の全てを見せる必要があったのだ。
フレディ・マーキュリーの人生を、クイーンのライブ・エイドへの道のりを知った上で観るライブ、聴く曲は心に響き、ライブそのものを体験しているかのごとく伝わる熱気にもうあと少しで泣きそうになった。
泣かせにきてるようなストーリーじゃないけど、バックグラウンドを知ってライブを体験するとそうなった。
これはすごい!!
そして幕切れ、エンドロールまでしっかり楽しませてくれた。
俳優さんたちが素晴らしい。
(左から)
ジョン・ディーコン/ベース(ジョセフ・マッゼロー)
ロジャー・テイラー/ドラマ(ベン・ハーディー)
フレディ・マーキュリー/ボーカル(ラミ・マレック)
ブライアン・メイ/ギター(グウィリム・リー)
メアリー(ルーシー)も美人さんで、ずっとおしゃれ。
4人がばらばらじゃなく“ファミリー”として成り立ってる感があって、途中フレディが不安定になり、クイーンの存在自体も危うくなっていくときには引き込まれて応援したくなった。
小道具もステージもすごすぎる。
小道具からステージまでライブ・エイドの再現がされているらしく、あのステージは空軍基地に作られたそう。観てて、このステージはCGなのか?にしてもリアル、技術の進歩はすごいな、と思ってたら実際作ってたなんて!そりゃ空気感が違うはず!
ちなみに、映画には実際のメンバーである、ブライアン・メイとロジャー・テイラーも協力していて、事実にきわめて忠実に再現できているとのこと。
フレディのような伝説の人を再現するのは不安でたまらなかっただろうけど、それを微塵も感じさせない。
それは本人達に褒められたからというのも大きいだろう。
満足。